WEB上でしっかりと情報発信ができる体制を構築していることを前提に、その上で一般のユーザーに知ってもらうきっかけを「オンラインでやるか」「オフラインでやるか」という選択をする際に、
・オンラインであればWEB広告
・オフラインであればチラシ
という選択肢が一般的に多いかと思います。
ここでは、その知ってもらうきっかけ作りの際に知っておきたい「チラシ集客とWEB集客のメリット・デメリット」について見ていきます。
<新聞折込チラシ>
チラシの配布を考えた時に、一番最初に思いつくのが「新聞折込チラシ」ではないでしょうか。
新聞折込チラシは「新聞」という信頼性の高い媒体を通じてチラシが配布されるため、「怪しいお店ではない」ということを感覚的にユーザーは捉えることができます。
紙媒体の特性として「保存性が高い」ということもメリットのひとつです。
実際にリフォームのチラシでは、電話でお客様から問い合わせがあり、詳しく話を聞いていくうちに、1年以上も前に配布したチラシをファイルで保存しており、時期が来たので電話したことが分かった、というようなケースが多々あります。
一方で折込チラシの反響率は0.01%〜0.3%程度であり、これは1万部配布して1人〜30人の反響がある、という数値です。
1万部配布しようと思えば、チラシの制作代、印刷代、折込代などを合わせると5万円〜8万円ほどが相場です。
仮に8万円かかるとすれば、1人の反応につき安くても2,700円ほどかかる計算です。このコストを許容できるかどうかは、商材によりけりです。
(※数値は商材/サービスによります)
また、折込チラシはエリアを選んで配布することはできますが、細かくターゲットを指定するには不向きな媒体です。
また、昨今は新聞の購読率が低下していることもあり、リーチ数(到達数)はそこまで多くありません。
そのため、新聞折込チラシを実施する際は、不特定多数に向けて広くお店を認知させたい場合や、信頼性の高い媒体で配布したい場合に活用すべき媒体です。
<ポスティングチラシ>
チラシにはポスティングする、という選択肢もあります。ポスティングは新聞折込チラシと比べ、ある程度細かく市区町村を指定できます。また、費用はかかりますが、「戸建てだけに配布する」というような指定も可能です。そのため、新聞折込に比べるとターゲティングの精度は高いと言えるでしょう。
また、新聞とは異なり、指定したエリアで配布できる場所にはすべて配布しますので、新聞を購読しているかどうかとは関係ありません。その点、新聞折込よりもリーチ数(到達数)が多くなります。そのため、近年では、新聞折込からポスティングに切り替える企業も少しずつ増えています。
もちろん、紙媒体の特性である「保存性が高い」というメリットはポスティングでも変わりありません。
一方でネックになるのはそのコストです。チラシ自体の制作費や印刷費に変わりはないものの、新聞折込とポスティングでは配布コストがまったく違います。
新聞折込であればA4/B4であれば3円程度が相場ですが、ポスティングになると5円以上することが多いです。この2円の差は部数が増えるほどに効いてきます。
たとえば、5万部を配布しようと思うと、10万円以上の差となります。
また、「信頼性」という面では、新聞のように自ら購読しているわけではなく、ポスティングは企業側から「勝手に」届けられるため、不快に感じる方も中にはいらっしゃいます。クレームになることもしばしばあります。
ある程度コストがかかっても、より広く不特定多数に紙媒体でアプローチしたいと言う場合はポスティングチラシもひとつの選択肢です。
<WEB広告>
WEB広告の特徴としてはターゲティングの精度・自由度が紙媒体に比べて圧倒的に高いことです。エリアはもちろん、年齢性別などの属性や、普段どのようなWEBサイトを閲覧しているか、どのようなことに興味関心があるか、など細かくターゲティングが可能です。
また、スマートフォンやPCでインターネットに繋がっている人はほぼすべて対象になるため、リーチ数(到達数)も圧倒的です。
コストの面においても、Google広告やYahoo!広告はクリック課金性のものが多く、広告がクリックされなければ費用が発生しない仕組みです。
ディスプレイ広告を上手く活用すればクリック単価は比較的安価で抑えることができ、1万円で200〜500クリックほどの反応を得ることも可能です。
クリックしてくれたユーザーの中から実際に問い合わせなどにつながる確率(コンバージョン率)はおおよそ0.5%前後のことが多いです。
仮に5万円をかけて1,000クリックの反応を得て、その中の0.5%がアクションを起こしてくれると、50人の計算です。
これは1人あたりのアクションにつき1,000円かかる計算です。
このことから上手く活用できれば費用対効果はかなり良くなります。
(※数値は商材/サービスによります)
一方で、WEBサイトの情報は一度アクセスしてもらっても、再度時間が経ってしまうともうアクセスしてもらえない、というケースが多いです。WEB上にはたくさんの情報があふれているため、チラシのように「時期がくればもう一度見返す」ということがしづらい媒体でもあります。
(一度訪れてくれたユーザーに再度アプローチできる広告手法も存在しますが…)
また、シニア層を中心に「インターネットの情報は信用できない」という考え方が根強く残っていることも事実です。そのため、信頼性という点においては紙媒体のほうに軍配があがることも多いのです。
あと、チラシとの大きな違いは「WEBでの行動はユーザーが主体である」ということです。チラシはある意味お店が主体となり「一方的に」情報を届けることが可能な「能動的な媒体」です。
しかし、WEB広告はユーザーが検索をした時やディスプレイ広告が表示された時にクリックしなければ情報が見られることはありません。それゆえにWEBはお店側からすれば「待ちの媒体」です。
そのため、たくさんあるWEB上での情報の中からユーザーの興味関心をひくことができる「訴求力」と「商品の魅力」「ターゲティング設定の精度」が非常に重要で、ある種高度な広告であることは否めません。
より細かくターゲットが絞られている商材/サービスでアプローチしたい場合、WEB広告の右に出る媒体はないでしょう。
