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新聞折込チラシの配布エリアはどうやって決める?折込エリア選定のポイントを解説!

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こんにちは。神戸市の広告代理店ほっと広告のライティングチームです。

 

地域密着型のビジネスや実店舗への集客を前提としたビジネスにおいては、まだまだ有力な集客施策である新聞折込チラシ。限られた予算の中でもできるだけ大きな反響を得るために重要なポイントが「配布エリア」です。本記事では、新聞折込チラシの配布エリアをどのようにして決めていくべきか、エリア選定のポイントを解説します。

 

 

新聞折込のエリアはどこまで指定できる?

 

新聞折込エリアは各新聞販売店の管轄するエリアごとに配布エリアが決まっています。そのため、町丁目単位でエリアを指定することができません。また、新聞の銘柄ごとに配布エリアの区画が異なるため、違う銘柄の新聞で同一のエリアに配布したい場合、どうしても個々のバラつきが出てしまいます。

 

 

ただ、新聞販売店はかなりの数があり、基本的にはすべてのエリアを網羅しています。ある程度は思うようにエリアを指定できると考えて間違いありません。後述しますが、さまざまなデータを駆使して配布エリアを選定することもできますので、そのポイントを一緒に見ていきましょう。

 

 

新聞折込のエリア選定のポイント

 

距離や時間の商圏からエリアを絞り込む

 

もっともオーソドックスな手法が「商圏」から配布エリアを決めるものです。「徒歩圏内」や「自転車圏内」「電車圏内」「自動車圏内」などどのような方法で見込み客が来店するかを検討します。まずは商圏の考え方や特徴について確認していきましょう。

 

商圏をどこまで広げるのかは2つの軸で考えます。1つは「商品の価格」で、2つめは「購買/利用頻度」です。まず、商品の価格が高額になればなるほど商圏は広くなり、低額であれば商圏は狭くなる傾向があります。加えて、購買頻度(利用頻度)が少なくなるほど商圏は広くなり、多くなるほど商圏は狭くなります。

 

Point

  • 商品の価格が高い × 購買/利用頻度が低い = 商圏が広い
  • 商品の価格が高い × 購買/利用頻度が高い = 商圏は中程度、定期便や行きつけがメイン
  • 商品の価格が低い × 購買/利用頻度が低い = 商圏は狭い or インターネットに顧客を奪われる
  • 商品の価格が低い × 購買/利用頻度が高い = 商圏は狭い

 

「商品の価格が高く、購買/利用頻度が低い」という商品やサービスは、不動産販売や自動車販売などが該当します。この場合、人生で購買を経験する頻度がとても少なく、購買検討がより慎重で長期になるため、見込み客の行動範囲は広くなりがちです。そのため、対象となる商圏も広範囲になることが多くあります。

 

「商品の価格が高く、購買/利用頻度も高い」という商品やサービスは、エステや脱毛などが該当します。この場合は購買頻度は少ないものの、契約後の利用頻度が多くなります。検討の慎重度は高いものの、通える範囲で検討するためそこまで広い商圏にはなりづらい傾向があります。また、年間契約や定期便、行きつけのお店などが選択肢になるため、新規開拓のハードルは非常に高いものとなります。

 

「商品の価格が低く、購買/利用頻度も低い」という商品やサービスは、特殊な工具品やスマートフォンのカバーなどが該当します。特定の職業に従事していない限りは年に数回または数年に1回の購買となるでしょう。この場合は、ショッピングモールやホームセンターなどでの「ついで買い」が多く、手に入れづらい商品の場合はインターネットでの購入になりがちなため、そもそもコストを掛けた集客に向きません。

 

「商品の価格が低く、購買/利用頻度が高い」という商品やサービスは、食料品や日用品などが該当します。スーパーやホームセンターがイメージしやすいですね。この場合は、自宅の近所や通勤の動線などで購買を済ませることが多く、商圏は狭くなります。特定のエリアで集客を図る新聞折込チラシが最も得意とするカテゴリです。

 

なお、新聞折込エリアを検討する際は、下記の画像のように「自動車で10分以内のエリア」「自動車で20分以内のエリア」のようにマップ上に範囲をプロットしたデータも利用できます。自動車圏内はもちろんのこと徒歩圏内や自転車圏内などのデータも活用できるので、広告代理店や折込会社に相談してみましょう。

 

自動車商圏(参考:神戸新聞総合折込)

 

 

自社の顧客属性からエリアを絞り込む

 

自社に顧客データが蓄積されていれば、それを活用する手法もあります。既存顧客のデータは2つの側面から活用が検討できます。

 

既存顧客データの活用手段

  1. 既存顧客が最も多いエリアを中心に配布し、リピート来店を狙う
  2. 既存顧客のいないエリアを明らかにし、新規開拓を狙う

 

わかりやすい方法はリピート来店を狙う方法です。ポイントカードや会員登録、顧客アンケートなどから住所のリストがあれば、それらをもとにプロットマップを作成することができます。このデータを活用して、顧客の多いエリアを中心にチラシを配布します。

 

顧客データのプロットマップ

 

次に新規開拓を狙う方法ですが、最も単純な方法は上記のマップデータを活用して、今度は顧客の少ないエリアにチラシ配布を行う方法です。しかし、この方法では当てずっぽうなやり方になるため、ギャンブル要素が強いと言えます。しっかりと仮説を立てる必要があります。

 

仮説を立てるには顧客のデータだけでは難しく、深い顧客理解が必要です。たとえば、以下のような項目にどれだけ自信を持って回答できるでしょうか?

 

  • なぜこのお店で買ってくれているのか?
  • なぜ他のお店ではなく、自分のお店に来てくれるのか?
  • 自分のお店に来る前に何をしていることが多いか?
  • 自分のお店に来た後に何をしていることが多いのか?
  • 自分のお店が無くなったとしたら、どのお店に行くのか?

 

上記は一例ではありますが、このようなことを推測し、仮説を立てていくことで自分のお店の顧客になってくれそうな人たちの共通項のようなものが浮かび上がってきます。理想的には直接何人かの顧客にインタビューさせてもらえると、より理解が深くなります。この共通項を導き出せたら、あとは未開拓のエリアで最も同じような見込み客がいそうなエリアに配布し、反響を確かめていくという流れになります。未開拓エリアの見込み客を確かめる手段については事項の「統計データからエリアを絞り込む」をご参照ください。

 

 

統計データからエリアを絞り込む

 

統計データについては国勢調査などの信頼できるデータを活用して、配布エリアの選定を検討していきます。

 

  • 人口
  • 夜間人口/昼間人口
  • 性別
  • 年齢層
  • 年収
  • 持ち家/借家比率

 

このような統計データを地図上にプロットしたものをチェックしながら、自社のターゲットとする属性の見込み客が最も存在しそうなエリアを選定していきます。なお、広告代理店や折込会社に依頼すれば、プロットマップを提供してくれます。

 

たとえば、自社のターゲットの属性が年収の高い層だった場合、新聞折込を実施するエリアも年収が高い見込み客が多く存在するエリアに配布します。その他、年齢層や性別と掛け合わせることもできます。参考として、町丁目ごとに年収が高いエリアをプロットしたものに、お店を中心とした徒歩圏内を表したものが下記の画像です。

 

年収別 × 町丁目 + 徒歩商圏

 

夜間人口のプロットマップ

 

まずは、自社のターゲット属性をしっかりと抽出した上で、このような統計データを活用すると良いでしょう。

 

 

新聞銘柄の特徴からエリアを絞り込む

 

新聞には朝日・読売・毎日・日経・産経の5大紙からなる全国紙をはじめとし、神戸新聞などの地方紙を含めて日刊紙の数は100を超えます。(参考:「新聞の発行部数と普及度」日本新聞協会)

 

全国紙でも新聞の銘柄に特色がありますし、地方紙はさらに地域の色出ます。そのため、それぞれの新聞銘柄によって読者の傾向も異なります。これらの特徴から配布エリアを絞り込むこともできます。

 

本記事ではすべての地方紙を解説することはできませんが、大まかに全国紙と地方紙の違いによる配布エリアの選定について解説しますので、ご参考になさってください。

 

まず、全国紙は全国統一で記事を作成しつつ、地域版などで一部ローカルニュースを取り扱います。そのため、幅広く全国的な動向を掴んでおきたい読者層に好まれます。一方で地方紙は、その地域に特化してイベントごとや各地の行政の動向など細かなローカルニュースも取り扱うため、地元に特化した動向を掴んでおきたい読者層に好まれます。傾向として、ずっと同じ地域で定住し、今後も移住を検討していない層は地方紙を好む傾向にあります。一方で、移動や転勤などで地方に移住してきたような層は全国紙を好む傾向にあります。

 

これらの傾向を掴んでおくと、ゴールデンウィークや年末年始で新聞折込チラシを検討している際などに仮説を立てることができます。たとえば「年末年始であれば、地方紙の銘柄を中心に新聞折込を実施したほうが良いのではないか」と言った具合です。なぜなら、地方紙の購読者であれば定住している傾向が高いため、年末年始も地元に残る可能性が高いのでは?と推測することができるからです。

 

また、新聞の銘柄によって購読者の多い地域と少ない地域がはっきりしている場合もあります。たとえば弊社の所在地である兵庫県では、神戸市よりも東側は全国紙の購読者数が多く、西側は神戸新聞の購読者数が多いことが明らかに現れています。ちなみに全国紙の中でも地域によって人気が分かれており、兵庫県では神戸市より西側は読売新聞が多く、東側は読売新聞と朝日新聞が台頭しているという感じです。

 

神戸市 西宮市(東) 姫路市(西)
神戸新聞(地方紙) 170,800部 9,350部 73,450部
朝日新聞(全国紙) 98,700部 44,800部 31,350部
毎日新聞(全国紙) 27,950部 13,500部 8,750部
読売新聞(全国紙) 115,550部 42,350部 57,400部
産経新聞(全国紙) 6,400部 10,000部 合売
日経新聞(全国紙) 33,800部 16,900部 7,850部
合計 453,200部 136,900部 178,800部
神戸新聞(地方紙)の比率  37.6% 6.8% 41%

 

このような銘柄ごとの特性や、地域による特性も加味して配布エリアを選定することも頭に入れておくとスムーズです。

 

 

まとめ

 

本記事では「商圏から絞り込む」「顧客属性から絞り込む」「統計データから絞り込む」「新聞銘柄の特徴から絞り込む」という4つの手段から折込チラシの配信エリア選定のポイントを確認してきました。折込チラシで毎回必ず反響が出るというわけにはいきません。しかし、地域密着型のビジネスのように限られた商圏でビジネスを実施している場合は、トライアンドエラーを繰り返すことで回数を重ねるごとに確率が高くなってくるはずです。その際、根拠を持った仮説を立てて慎重に配布エリアを検討することで、少しでも予算を有効活用できるはずです。少しでも本記事がお役に立てれば幸いです。

 

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